中国と日本、言語文化差異
特定の対象とされている花の中で、「桃の花」は一番目の地位になっています。唐詩を多少勉強している中国の人なら多分、催護の《七絶・題都城南庄》はしっているはずです。
去年今日此門中、人面桃花相映紅。
人面不知何処去、桃花依旧笑春風。
照りつけている桃の花の下でしとやかな少女の姿、その内容が見える、淡々たる中に濃厚にある心情、依然とした情景に佳人がいなくなった寂しさ、筆で描くことは出来ない意境は、この詩を千古絶唱の宝座まで押し上がってきました。それに対して唐の時代の名人、政治改革派の劉寓錫さんが、「桃の花」を借りて都の政治家たちを批判する次の七絶を書きました。
紫陌紅塵払面來、無人不道看花回。
玄都観里桃千樹、尽是劉郎去後栽。
『玄都観桃花』 劉寓錫
それは元和十年に郎州から都に帰る時、花を見る諸君子に贈る言葉です。
しかし、この詩で皇帝様まで驚かしたため、また左遷させられました。十四年後、劉寓錫さんがもう一度勢いを盛り返してやり直す時、硬骨漢の新七絶を書きました。
百畝庭中半是苔、桃花浄尽菜花開。
種桃道士帰何処、前度劉郎今亦來。
『再遊玄都観』 劉寓錫
唐詩の中でのこのような「桃の花」の詠み方は、和歌に中にはどこも見当たらないだろうと思います。「桃の花」は中国文化の中ではその独特の地位を占めているため、中国語の中にも多くの単語群があります。桃印、桃桔、桃弓、桃板、桃符、桃唇、桃花顔、桃花酒、桃花粥、桃月、桃花運等があります。
このような言葉は一つの側面から桃の花と中国文化との関係を表しています。

