『住所に見られる奴属関係』
中国では勤めているだけで奴属関係が生じる。日本ではあらゆる面で支配関係が見える。例えば、中国人の留学生が田中一郎さんの家に住んでいる場合、日本の習慣に従い自分の住所を所番地まで書き、「田中方」あるいは「田中一郎様方」の後に自分の名前を書く。この書き方はその留学生が「独立人間」ではなく、「田中一郎」と言う家主に属してしることを意味している。
しかし、中国人の留学生達はだいたい住所だけを書き自分の名前を書いて終わり、「田中方」をあまり書かないのである。それは家主との支配関係を認めないことになる。郵便配達員は表札に書いてあるのが、「田中」か「田中一郎」だけだから、その郵便物は田中さんと関係ないと勘違いして郵便箱にいれないままで返送することがよくある。
もし、アパートやマンションなどに住んでいる場合、「○○方」をかかなくてもいい、それは住所的に独立した一戸と見られているわけである。でも「集合住宅」でも「一戸建て」でも町内会があるので、そこに所属することになる。
日本の奴属関係を理解できない中国人は日本で生活する時、色々な面で日本人と違った対応をしてしまうようだ。
『支配者と支配される者』
今では多くの中国人の女の子が日本料理店でアルバイトをしている。日本のレストランとか料理屋さんではチップをもらわないのだが、お客さんがくれたら普通は女将さんに報告するのである。黙っていてばれると没収されるか給料から差し引かれる心配があるからである。
日本の店が報告して欲しいのは「支配者」として自分の店員にチップをくれるお客さんにお礼を言わなければならないという考えがあるからである。
しかし、それについて中国の女の子はあまり納得できない。彼女達の考え方は私がもらったのだから私から感謝すればそれでいいのだから、別に女将さんにお礼を言ってもらう必要はないと思っている。それはウエイトレスと店の奴属関係をはっきり意識していないからである。
ある人は友人の家へ誘いに行ったとき、友人の奥さんに「ご主人をお借りしますよ」と言って、奥さんに「どうど」と許可をもらう。実は夫婦関係も奴属関係の一つである。

