中国から見た中国と日本の違い


中国と日本、色彩語とその文化意識

 色彩感覚は往々にして国際性の違いを表すものとなる。

 中国を代表する色といえば、赤以外は考えられない。世界中にこんなに赤を偏愛している民族は他にないといえるであろう。言うまでもないが、古代宮廷、寺院、建築物や国旗にまでそれが顕著に表れている。街を歩く女性、特に若い女性の流行をみると、赤系統が圧倒的多数を占める。

 文革の時期、中国女性の民族衣装であるチャイナドレスは一度は消滅したが、改革開放に向かってから、チャイナドレスも再度庶民の生活の中に戻ってきた。もちろん赤のチャイナドレスが一番伝統的で正統派だといえよう。

 中国人からいうと、赤は吉と財をよぶ意味を持っている。正月になると、門前も家の中も赤で飾られる。例えば灯篭にしても、四方に貼られた「喜」の文字にしてもそうである。結婚相手を紹介する仲人も「紅娘」とよばれるし、今でも結婚式で新郎新婦が「紅娘」に贈るものは「紅蛋」とよばれる。

 このように中国の赤は、社会主義の政策の上で大きな意味をもつものでもあるし、民衆の中にも広く流行し、浸透しているものであるといえよう。つまり、中国の民族色は「赤」であると言い得るのである。

 新婦の衣装は言うまでもなく、普段の服でも、目の覚めるような赤は中国女性の好む色なのである。さらに、男性にのその傾向はある。普段着以外にも、春秋節の下着は赤が最も多い。中国の公共浴場に行ってみると一目瞭然である。小中学校の制服も統計をとると、赤を使ったものが最も多い。

 中国人は赤を好むが、日本人は極力はっきりとした原色を避ける傾向がある(例外ももちろんあるが)。例えば、薄緑(モスグリーン)や薄茶色(ベージュ)など、水でぼかしたような中間色(雑色)が、日本人の好む色だといえるだろう。
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